傑作の変化:ヴェラスケス ブレダの開城
技法 | リトグラフ(石版画) |
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制作年 | 1974年 |
限定部数 | 350部 |
絵サイズ | 75x77.5cm |
価格 | お問い合わせください |
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作品について
傑作の変化:ヴェラスケス ブレダの開城
「ラスメニナス」と同じく、スペインの巨匠、ヴェラスケスが1634-1635年頃に描いたとされる「ブレダの開城」。
オランダとの戦いに勝利したスペインの戦勝10周年を記念し、スペイン王室から注文を受けて制作されました。
勝者であるスペイン軍が敗者を労わる様子を描いた、ヴェラスケスの代表作として名高い作品です。
ダリの描いた「傑作の変化」では、元の作品とは変わって、画面中央に突出した長槍が絵そのものを真っ二つに引き裂き、右側スペイン軍の馬の体には遠くの海が見通せるような穴がぽっかりとあけられています。
戦争と騎士道精神を題材とした作品を下敷きにしながら、スペイン内戦や世界大戦によって平和の脆さや戦争の悲しみを知ったダリなりの皮肉的表現なのでしょうか。
本シリーズはこのように、元になった巨匠たちと、加筆されたダリのオリジナル表現それぞれの意図に思いを巡らせることも楽しみのひとつかもしれません。