傑作の変化:ラファエロ 聖母の結婚
技法 | リトグラフ(石版画) |
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制作年 | 1974年 |
限定部数 | 350部 |
絵サイズ | 90.2x55.9cm |
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作品について
傑作の変化:ラファエロ 聖母の結婚
ルネサンス三大巨匠のひとりである、ラファエロ・サンティ(1483-1520)の初期の傑作である宗教画「聖母の結婚」(1504年頃)に取材した本作。
1960年代以降、ダリはこのような古典絵画への顕著な関心を作品に反映していくこととなります。
本作は、聖母マリアと聖ヨセフの結婚に際して下された「持たせた杖に花が咲いた独身男性と結婚せよ」というお告げを元にしており、画面右側手前には、杖に花が咲かずに杖をへし折る男性が描かれています。
遠近法と、アーチを描くような人物配置により、画面に奥行きが生まれ、ラファエロの柔らかい人物表現が光る名作です。
ダリの作品では、画面中央の大司教のいる部分に、画面後方にある神殿の入口中央と同じような窓が描かれており、その下には杖をついた人物が眺めるようにたたずんでいます。
聖母マリアの結婚という神によってもたらされた奇跡的瞬間(指輪交換)を第三者の存在によってよりドラマティックに表現する、ダリの視覚表現の面白さが表れている1枚です。