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若い頃の草間彌生はアクティブな美女!
前衛芸術の女王になった秘密とは?

書籍『Creating Infinity: Yayoi Kusama × Louis Vuitton』

草間彌生といえば、水玉やかぼちゃなどの個性的な作品で、世界的に有名な日本の現代アーティストです。
2023年に94歳になった草間彌生ですが、現在もなお現役で、創作意欲も旺盛で、ルイ・ヴィトンとコラボレーションしたバッグやスカーフなどで話題になっています。
2023年9月29日には、ルイ・ヴィトンとの歴代コラボをまとめた書籍『Creating Infinity: Yayoi Kusama × Louis Vuitton』も、全国のルイ・ヴィトン店舗で発売されました。
そんな草間彌生は、若い頃はどんな活動をしていたのでしょうか?
実は彼女は、20代の頃にたった一人でアメリカに渡って、ニューヨークで性の解放をテーマにしたパフォーマンスやインスタレーションをおこない、たいへん有名になったのです。
今回は、草間彌生の経歴や人生について分かりやすく解説します。
ぜひ彼女の圧倒的な前衛芸術の世界に触れてみてください。

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なぜ草間彌生はアメリカに行ったのか?

書籍『Yayoi Kusama: 1945 to Now』
Thames & Hudson

草間彌生は1929年3月22日、長野県松本市で種苗業を営む裕福な家庭に生まれました。これは余談ですが、今を時めく俳優・大泉洋の奥様は草間彌生の遠縁で、同じく長野県松本市の出身です。


草間彌生は幼いころから絵を描くことが好きで、よく近所の花畑でスケッチをして遊んでいました。
また、彼女は幼少期から統合失調症という精神病に悩まされていました。
視界が水玉や網目で埋め尽くされたり、花が話しかけてきたりする幻覚や幻聴を感じていたのだそうです。
それらの不安や恐怖を紛らわすために、絵を描くことに没頭した面もあります。
絵を描くことが草間彌生の救いになっていたのです。
1945年、16歳になった草間彌生は絵画展で入賞するなど才能を発揮しはじめます。
高校を卒業すると、京都市立美術工芸学校に入学して日本画を学びました。
画家としての活動を始めた草間彌生でしたが、伝統的な画壇が彼女の作品を理解しないことに失望して、家族の反対を押し切って27歳で渡米します。

草間彌生が頼りにしたのは、アメリカを代表する女性画家のジョージア・オキーフでした。
オキーフに手紙を書いて返事をもらった草間彌生は、その社交辞令を信じてアメリカに渡ったのです。
見知らぬ日本人の行動力に驚いたオキーフですが、できる限りの援助を惜しみませんでした。

「前衛の女王」と呼ばれて

ニューヨークで草間彌生は自由な環境を与えられ才能を開花させました。
水玉や網目、男根のモチーフを使った絵画や彫刻、インスタレーションなどを制作して徐々に評価を高めます。

草間彌生は当時の女性としては珍しく、単独で渡米するほどに冒険心がありました。
また、彼女はエキゾチックで魅力的な顔立ちをしており、多くの男性から好かれました。
ジョゼフ・コーネルという、「箱の中の芸術」で有名な前衛美術家とは恋人関係にもなりました。
家族関係が複雑であったため結婚こそしませんでしたが、彼との愛は草間彌生の作品にも影響を与えました。

1960年代後半から、草間彌生はさらに過激な活動を展開しました。
全裸の男女に水玉を描いたり、反戦運動やセックスをテーマにした過激なパフォーマンスをおこなったりしたのです。
これらの作品は「ハプニング」と呼ばれ、ニューヨークのアートシーンで注目を集めました。
1968年には自ら監督・脚本・主演を務めた映画『草間の自己消滅』が、各種の前衛映画祭で受賞します。映像には草間彌生の若い頃の姿が記録されています。
こうして草間彌生は「前衛の女王」と呼ばれるようになったのです。

“草間彌生、1968年当時の貴重な映像先行解禁
/映画『草間彌生∞INFINITY』本編映像

不屈の精神でよみがえる草間彌生

草間彌生の人生は決して平坦ではありませんでした。
彼女は幼い頃から精神病に悩まされ、不安や苦しみと常に闘っていました。
1972年には、最愛のパートナーであったジョゼフ・コーネルが亡くなったことにショックを受け、日本に帰国しました。

ニューヨークでは「前衛の女王」だった草間彌生ですが、日本ではあまり評価されませんでした。
当時の日本では草間彌生のアートは破廉恥だと思われていたからです。
1973年に日本に帰国後も、草間彌生は作品を制作し続けました。精神病院に入退院を繰り返しながらの苦闘です。
1980年代から1990年代にかけては、絵画や立体作品だけでなく、小説や詩集なども発表しました。
草間彌生が再び評価されるようになったのは1990年代になってからです。
1993年のヴェネツィア・ビエンナーレの日本代表に選ばれると、これをきっかけとして徐々に世界中で展覧会が開催されるようになりました。

2016年に、女性画家としては4人目の文化勲章を受章した草間彌生は、今では日本を代表する芸術家です。
2017年には、東京に草間彌生美術館が開館しました。これは、彼女自身が設立した私立美術館で、彼女の作品や資料を展示しています。

草間彌生は、現在も精神病院に入院しながら、作品を制作しています。毎日、病院とアトリエを往復しているのです。
最近メディアに登場するときはたいてい車椅子に座っていますが、これからも長生きして作品を作り続けてほしいですね。

映画『草間彌生∞INFINITY』予告編

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ぜひご覧になってください。

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