ルノワール名画マステに使われている絵はこれだ!
ゴッホやフェルメールに劣らぬ名作揃い
以前にコラムで取り上げた100円ショップSeria(セリア)の名画マスキングテープですが、その後に100円ショップDAISO(ダイソー)でも入手できるようになりました。
この100均名画マステの柄は3種類。フェルメールとゴッホとルノワールです。
フェルメールのマステについてはポータルサイトgooで、ゴッホのマステについては翠波画廊コラムで、使われている絵画を紹介していますが、ルノワールについてはまだどこにも情報が載っていないようなので、再び翠波画廊で調べてみました。
ルノワール・マスキングテープの全10作品を紹介
100均の名画マステは単一の柄の繰り返しではなく、さまざまな絵画が並べられたものです。ここでは、ルノワールのマスキングテープに使用されている10作品を、横幅をそろえて縦に並べたテープ状のレイアウトでお見せします。
《ラ・グルヌイエール》1869年(ストックホルム国立美術館) | |
《昼食後》1879年(シュテーデル美術館、フランクフルト) | |
《ぶらんこ》1876年(オルセー美術館、パリ) | |
《読書をする少女》1886年(シュテーデル美術館、フランクフルト) | |
《ポン・ヌフ、パリ》1872年(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)) | |
《ピアノを弾く二人の少女》1892年(オルセー美術館、パリ) | |
《バレリーナ(踊り子)》1874年(ワシントン・ナショナル・ギャラリー) | |
《散歩道》1870年(J・ポール・ゲティ美術館、ロサンゼルス) | |
《舟遊びをする人々の昼食》1880-1881年(フィリップス・コレクション、ワシントンD.C.) | |
《じょうろを持つ少女(ギスカンヌ嬢)》1876年(ワシントン・ナショナル・ギャラリー) |
《ラ・グルヌイエール》1869年(ストックホルム国立美術館)
「ラ・グルヌイエール」はパリ近郊の水浴場です。この絵はマステに使われた10作品の中で最も古く、ルノワールはモネの隣に座って同じ風景を描いたと言われています。そのため、モネにも同じような構図の《ラ・グルヌイエール》という絵があります。
《昼食後》1879年(シュテーデル美術館、フランクフルト)
《昼食後》は2016年の京都市美術館「光紡ぐ肌のルノワール展」で初来日した作品です。右端の男性はルノワールの弟のエドモン・ルノワールで、左端の女性はドガ《アブサン》でもモデルを務めた女優のエレン・アンドレです。
《ぶらんこ》1876年(オルセー美術館、パリ)
《ぶらんこ》は第3回印象派展に出品された有名作品です。まだら模様の木漏れ日を大胆に描いた、いかにも印象派といった作風です。女性モデルのジャンヌは、ルノワールの代表作《ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会》の中央にも大きく登場しています。
《読書をする少女》1886年(シュテーデル美術館、フランクフルト)
この作品はルノワール・マステの10作品の中で最もマイナーかもしれません。ルノワールは数多くの「読書をする女性」の絵を描いていますが、このドイツのシュテーデル美術館のバージョンは日本ではあまり紹介されていません。
《ポン・ヌフ、パリ》1872年(ワシントン・ナショナル・ギャラリー))
人物画を数多く描いたルノワールには珍しい、パリを描いた風景画です。「ポン・ヌフ」は新しい橋の意味ですが、東京の新橋と同じく、実際は由緒ある名所となっています。この作品もモネと並んで描いたもので、同じ構図の絵がモネにもあります。
《ピアノを弾く二人の少女》1892年(オルセー美術館、パリ)
マステに使われた10作品の中で最も新しい絵で、初めてフランス政府に買い上げられたルノワール作品となりました。す。50歳を超えたルノワールはようやく名声を獲得したので気合いを入れて5つのバージョンを制作して、政府には好きなものを選ばせたそうです。
《バレリーナ(踊り子)》1874年(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
記念すべき第1回印象派展に出品された作品です。ルノワールはこの作品を含む7作品を展示しました。印象派展自体の評判はさんざんでしたが、ルノワールの作品は構図もタッチも比較的保守的だったため、相対的によい評価を得ることができました。
《散歩道》1870年(J・ポール・ゲティ美術館、ロサンゼルス)
男女が森の中を歩く絵は当時の流行で、モネも同じような絵を描いています。当時、モネとルノワールは一緒に絵を描くことが多く、お互いに影響を与えあっていました。男性のモデルは印象派仲間の画家アルフレッド・シスレーだと言われています。
《舟遊びをする人々の昼食》1880-1881年(フィリップス・コレクション、ワシントンD.C.)
《舟遊びをする人々の昼食》は第7回印象派展に出品されたルノワールの代表作です。左下の女性はのちにルノワールの妻となるアリーヌ・シャリゴで、右下の男性は印象派の画家仲間であり、スポンサーでもあったギュスターヴ・カイユボットです。
《じょうろを持つ少女(ギスカンヌ嬢)》1876年(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)
ルノワールが人物画を数多く描いたのは、労働者階級出身で実家が裕福ではなかったためです。生計をたてるために稼がなければならず、肖像画の注文を多くうけていたのです。この作品は肖像画家ルノワールをアピールするためのものと言われています。
アートグッズあります
(デザインユニットCOCHAEとのコラボレーション)
ルノワールといえば、2016年に国立新美術館で開催された「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」のグッズが話題となりました。
通常、美術展のグッズといえば、絵ハガキやクリアファイルが相場なのですが、同美術展ではルノワールの絵画のモチーフを折ることができる「創作おりがみ」や、ルノワールの写真をあしらった「自立するうちわ(solano)」、カプセルトイ「コップのフチ子」とのコラボレーションで、フチ子が顔をはめられる看板をルノワールの絵画で作った「顔ハメのフチ子 RENOIR」など、他では見られないユニークな商品が並びました。
もちろん、マスキングテープや絆創膏や付箋といった定番の小物もありました。美術展のグッズは展示が終了すると入手しにくくなってしまうので、買えるうちに買いたいですね。
翠波画廊でも、専属作家のアートグッズを販売しています。
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