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渋谷に新たな現代アートの美術館が誕生!
~UESHIMA MUSEUM(植島美術館)に行ってきた

UESHIMA MUSEUM外観

大原美術館を作った大原孫三郎、足立美術館を作った足立全康、そして出光美術館を作った出光佐三……ビジネスで富を築いた日本の社長たちの中には、その富を美術品に注ぎ込みアートコレクターとして有名になった人々が少なくありません。
彼らは最終的に、自らのコレクションを収蔵するための美術館を作り、私財を公共の益に供しました。
それらの偉大な先達に新たな名前が加わりました。
東京・渋谷に6月1日にオープンしたUESHIMA MUSEUM(植島美術館)は、事業家・投資家の植島幹九郎氏が、約680点に及ぶ自らの現代アートコレクションを一般の人々に開放しようと設立したものです。
いったい、どのような美術館なのでしょうか?

現代アートコレクター植島幹九郎

名和晃平《PixCell – Deer 40》2015

UESHIMA MUSEUM館長の植島幹九郎氏が現代アートに興味を持ってコレクションを始めたのは2016年のことです。
当初は自宅やオフィスなどに飾るために買っていたので、飾る場所がなくなった時点でいったん収集を止めました。
しかし2022年にコレクター熱が再燃。1年で約500点もの作品を購入するなど、一大コレクションができあがりました。
そして一般論ですが、自分の集めた作品に愛着があればあるほど他人に見てもらいたくなるものです。
当初はホームページやインスタグラムでコレクションの写真と解説を全世界に発信していた植島氏が、ついに自らの美術館を設立するに至ったのが、2024年6月1日オープンのUESHIMA MUSEUMです。
UESHIMA MUSEUMは、渋谷駅から明治神宮に向かって明治通りを進んだ途中の、渋谷教育学園渋谷中学高等学校の敷地内にあります。
渋谷教育学園は植島幹九郎氏の母校であり、既存の建物を「渋谷教育学園 植島タワー」としてリノベーションして、美術館とオフィスが併存する建物を作り上げました。
地下1階から地上6階までの7フロアのうち、3階から上はオフィスとしても使用できる作りになっています。
すべての階に美術品が飾られていますが、今のところ6階は一般非公開で、3階と4階はオフィスが休みになる土曜のみの公開です。日曜祝日は休館なので、平日は地下1階から2階および5階の、4フロアが常設美術館です。
1階にある建物の入口から入ると、すぐ正面に名和晃平の鹿《PixCell – Deer 40》が出迎えてくれます。
いきなりの人気作品の登場に期待が高まります。

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写真ではわかりにくい巨大な抽象絵画が美術館の楽しみ

UESHIMA MUSEUM地下1階「絵画における抽象 - その開拓精神」

階段とエレベーターがあるので建物の中を回る順番は自由ですが、今回は地下1階から始めましょう。
地下1階の展示場は1フロアで、巨大な抽象画と彫刻が並んでいます。
この階には、植島氏が現代アートに興味を持つきっかけとなった生ける伝説ゲルハルト・リヒターをはじめ、初めて買った絵画の作者であるベルナール・フリズ、20代で世界各国の美術館に作品が収蔵されたジャデ・ファドジュティミ、巨大なインスタレーションで知られるカタリーナ・グロッセ、パワフルな色彩の洪水ローレン・クイン、イギリスで最も権威のあるターナー賞を受賞したオスカー・ムリーリョなどの作品が観客を圧倒します。
植島氏が購入する作品は、作家が現存するものがほとんどです。
自らと同じ時代を生きるアーティストが見る世界に強い興味を持つ、植島氏の流儀があるからでしょう。

複数の作品が展示されている作家が多い

岡﨑乾二郎《Encontro das aguas / Scooping water from a stream》2020

1階は、玄関ホールと図書閲覧スペースに設置された名和晃平とニコラ・パーティの作品を除くと、田島美加と岡﨑乾二郎の2人の日本人作家の作品で占められています。
日本人の両親を持ちながらアメリカで生まれ育った田島美加(ミカ・タジマ)と、美術家と批評家の2つの顔を持つ岡﨑乾二郎は、2つの世界のボーダーを生きているからか、ともに理知的な作風で観客を刺激します。
ちなみにB1から6Fまでの階段の踊り場には杉本博司の写真作品が飾られているので、階段での移動がおすすめです。

現代アートのスターたちの競演


オラファー・エリアソン《Eye see you》2006

シアスター・ゲイツ《Slaves, Ex Slaves》2021

個人的に最も興奮したのは2階の展示です。 このフロアは10以上の小部屋に分かれていて、それぞれの部屋には、音や光を印象的に発するインスタレーション作品などが、他の作品に干渉しないように個別に設置されています。
並んでいる作品も、ゲルハルト・リヒター、アンドレアス・グルスキー、ライアン・ガンダー、ルイーズ・ブルジョワ、村上隆、塩田千春、チームラボといったビッグネームが多く、コレクションの充実度に目を見張ります。
特に印象に残ったのは、光の色彩が強烈なダン・フレイヴィン《untitled(for Ad Reinhardt)1b》と、音楽を伴うために完全に隔離された池田亮司《data.scan [n°1b-9b]》でしょうか。この2作品は、文章と写真ではその魅力を伝えきれないため、自分の目と耳で確かめてくださいと言いたくなります。
また、鏡を利用して無限増殖ルームを実現したオラファー・エリアソン《Eye see you》や、現在、森美術館で日本初個展を開催中で、UESHIMA MUSEUMでは自ら設置方法やBGMを指定していったという黒人作家シアスター・ゲイツの部屋なども、ぜひ見てほしいです。
特にシアスター・ゲイツ《Slaves, Ex Slaves》は、一見、単なるネオン管を利用した抽象表現に見えますが、横軸が時間の経過、縦軸がアメリカ合衆国における黒人奴隷の数を表した棒線グラフだと説明を受けると、途端に見え方が変わってくる興味深い作品です。
UESHIMA MUSEUMは、それぞれの作品に丁寧な解説が付けられているので、現代アートはあまり見たことがないという人でも、わかりやすく楽しむことができる美術館です。
2024年12月まで予定されている今回の展示は約80作品のみで、来年以降、680点に及ぶコレクションが順次公開されるのを楽しみにしています。

翠波画廊では、現代アート作品を多数取り扱っています。
ぜひご覧になってください。

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