モントルー・ジャズフェスティバルのアートポスター
~アンディ・ウォーホルからキース・ヘリングまで
モントルー・ジャズフェスティバル」
2020年(JR)
世界三大ジャズフェスティバルをご存じですか?
一つはアメリカ東部のニューポート・ジャズフェスティバル。1954年から開催されているジャズフェスの草分け的存在で、さまざまな名演を生み出しました。
一つはアメリカ西部のモントレー・ジャズフェスティバル。1958年から始まった歴史あるイベントで、ニューポートに対抗して生まれました。
最後の一つは、1967年から行われているスイスのモントルー・ジャズフェスティバル。
名前が似ていますがアメリカのモントレーとは別です。
モントルー・ジャズフェスは、現代アーティストによるアートポスターで有名です。2020年はフランスのストリートアーティストJRがポスターをデザインしましたが、新型コロナウイルスの流行でイベント自体が中止となってしまいました。
キース・ヘリングのユニークなダンス
スイスのレマン湖畔で開催されるモントルー・ジャズフェスティバルは、ヨーロッパ最大のジャズフェスとして知られています。
では、世界最大のジャズフェスティバルはアメリカのニューポートかモントレーなのかといえば、実はそうではありません。
世界最大は、アメリカのジャズフェスに対抗して新しく1980年から始められたカナダのモントリオール国際ジャズフェスティバルなのです。似た名前が多くて混乱しますね。
ジャズの発祥の地はアメリカですから、ヨーロッパで開催されるモントルー・ジャズフェスティバルはどうしても本場ではないイメージがあります。
だからというわけでもないのでしょうが、モントルー・ジャズフェスティバルはジャズ以外にも、ロックやレゲエやソウルなど幅広いジャンルのミュージシャンが参加するワールドミュージックの祭典として親しまれています。
さらに音楽だけでなくアートにも手を広げて、毎年のフェスティバルの告知ポスターには新進気鋭の現代アーティストを招いて好評を得ています。
たとえば、古くは1983年の第17回モントルー・ジャズフェスのポスターのデザインを、当時24歳のストリートアーティスト、キース・ヘリングに依頼しています。
キース・ヘリングは意欲的な3種類のポスターでそれに応えました。
80年代のポップなデザイン
モントルー・ジャズフェスティバル」
1984年(ニキ・ド・サンファル)
モントルー・ジャズフェスティバルのポスターのデザイナーに選ばれることは、現代アーティストが一般的な知名度を得るための登竜門と言われています。
キース・ヘリングの翌年、1984年のポスターはフランスの女性アーティストのニキ・ド・サンファルが選ばれました。
その次の1985年は、日本のエッシャーとも呼ばれた、グラフィックデザイナーの福田繁雄が手がけました。
どちらも80年代の華やかな空気を伝えるポップな作品となっています。
翌1986年はポップアーティストの重鎮アンディ・ウォーホルと、キース・ヘリングのコラボレーションとなりました。ウォーホルの描いた楽譜の隙間を縫うように、ヘリングの描く人々が踊っています。
ウォーホルはこの翌年に病で死去、ヘリングも4年後にエイズで世を去り、このポスターは二人の最後のコラボレーション作品となりました。
「ポスター:第19回
モントルー・ジャズフェスティバル」
1985年(福田繁雄)
「ポスター:第20回
モントルー・ジャズフェスティバル」
1986年(アンディ・ウォーホル&キース・ヘリング)
ジェームス・リジィのキャット・バンド
モントルー・ジャズフェスティバル」
1997年(ジェームス・リジィ)
1997年のモントルー・ジャズフェスティバルの公式アーティストに選ばれてポスターデザインを手がけたのが、ポップな作風で人気の絶頂期にあったジェームス・リジィです。
ジェームス・リジィのにぎやかな絵柄は、フェスティバルの熱気と音の楽しさを感じさせて好評を博しました。
90年代の代表がジェームス・リジィなら、2000年代はジュリアン・オピーです。
2006年の公式アーティストに選ばれたオピーは、その年の参加アーティストであるディープ・パープルのヴォーカリスト、ギタリスト、ベーシストの3人を模したポスターを制作しました。
ロックレジェンドのディープ・パープルは1973年の大ヒット曲「スモーク・オン・ザ・ウォーター」(湖上の煙)でよく知られています。実はこの曲はレマン湖畔のモントルーで行われたコンサートでの火事を題材にしたもので、歌詞も「おれたちはモントルーに来ていた/レマン湖のほとりにある街だ」で始まります。
モントルー・ジャズフェスティバルの常連でもあるディープ・パープルは、モントルーに馴染みの深いバンドでもあるのです。
2006年、ディープ・パープルのメンバーは、ジュリアン・オピーのポスターと同じ服装で登場して会場を沸かせてくれました。
Deep Purple Live at Montreux 2006 720p
https://www.youtube.com/watch?v=cM0DtCE48N4
今年も7月にモントルーで開催します
モントルー・ジャズフェスティバル」
2022年(カミーユ・ワララ)
さて、今年2022年の公式アーティストに選ばれたのは、フランス生まれでイギリスを拠点に活動する新進デザイナーのカミーユ・ワララです。
フェスティバルは7月1日から16日まで行われます。新型コロナウイルスによる自粛の憂さや、真夏の猛暑を吹き飛ばしてくれることでしょう。
公式ホームページでは出演アーティストの紹介や、過去のビデオなどが見られるので、興味のある方はチェックしてください。
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作品はこちらよりご覧ください。
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