我が子のように愛したコレクション
~映画『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』を観る
いわゆるアート・コレクターといえば、バーンズ・コレクションを作ったアルバート・バーンズや、ロックフェラー・コレクションのデイヴィッド・ロックフェラーなど、大富豪の名前が上がるものです。
ヴォーゲル夫妻
1922年生まれのハーバート・ヴォーゲルは、独立自尊の気風を持つ頑固なユダヤ人で、高校を中退して米軍に従事した後、郵便局で郵便物の仕分けをしていました。 ヴォーゲル夫妻の最初のコレクションは、婚約祝いとして購入したピカソの陶器でしたが、その後、夫妻はギャラリー巡りをする中で、気に入った新進芸術家の作品の購入に熱中するようになります。
二人が気に入った作品を購入するかどうかにあたって気にしたのは次の2点だけでした。一つは「自分たちの給料で買えること」、もう一つは「自分たちの住む1DKの賃貸アパートに入る大きさであること」です。
無名の新進作家が中心だった彼らのコレクションですが、40年の間に有名になった作家も少なくありません。 しかし、無名作家の作品とはいえ美術品です。なぜ二人は乏しい給料の中から、これだけのコレクションを築くことができたのか。その理由は夫妻の人柄にありました。
テレビをはじめさまざまなメディアに登場したヴォーゲル夫妻を、海外にまで有名にしたのは、日本人の佐々木芽生監督による一本のドキュメンタリー映画でした。『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』と題された自主製作映画は、映画祭での受賞をきっかけにアメリカと日本で公開され話題になりました。ただ好きなことを突き詰める夫婦の慎ましい生き方は多くの観客を魅了し、2012年には続編の『ハーブ&ドロシー ふたりからの贈り物』も作られました。 続編の制作途中の2012年、ハーバートが89歳で死去しました。残されたドロシーは、夫婦の共同作業であったアート・コレクションをきっぱりと止めることを宣言し、アパートにあったコレクションの残りを全てナショナル・ギャラリーに寄贈しました。
『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』より
|
5分で身につくアートの教養、定期配信中!
登録は無料!下記よりご登録ください
登録は無料!
メールマガジンにぜひご登録ください ↓↓
【配信コンテンツ】
1. 役立つアートコラム(月3~4回配信)
読むだけで最新のアートシーンや絵画の知識が身につくコラム。アート初心者からコレクターの方まで必読です。
2. イベント情報
画廊でのワークショップやセミナーのご案内をいち早くお知らせ!
3. 展示会のご案内
翠波画廊で開催する展覧会や、全国百貨店での作家来日展情報などをお知らせいたします。
私たちにできること
1
絵画購入のご相談
些細なこともお気軽にご相談ください。
30日以内の返品保証など
安心のサービスをご用意
2
お部屋やご予算に合わせた
絵画のご提案
お客様のご要望をお伺いし、
1,500点以上の豊富な作品から
最適な一枚をご提案いたします。