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松岡美術館「レガシー 美を受け継ぐ モディリアーニ、シャガール、ピカソ、フジタ」展に行ってきた
~創立者・松岡清次郎はいかにしてアートコレクターになったのか?

アメデオ・モディリアーニ《若い女の胸像(マーサ嬢)》1916-17年頃

2024 年 6 月 18 日(火)~ 10 月 13 日(日)の会期で開催されている松岡美術館「レガシー ―美を受け継ぐ」展。
副題に「モディリアーニ、シャガール、ピカソ、フジタ」とあり、翠波画廊が数多く取り扱っている絵画を中心に展示されているようなので、実際に行って見てきました。
松岡美術館の場所は、地下鉄の白金台駅から徒歩7分の東京都港区白金台5-12-6。
東京都庭園美術館と国立科学博物館附属自然教育園を要する白金長者屋敷と、東京大学医科学研究所附属病院に挟まれた閑静な高級住宅地の一角にあります。

松岡美術館の創立者・松岡清次郎のコレクター魂

ラウル・デュフィ《信号所》1924 年

松岡美術館は、事業家でありアートコレクターでもあった松岡清次郎の約2400点に及ぶ美術品コレクションを展示するために設立された美術館です。
松岡清次郎は明治27年東京生まれで、貿易商に勤めてから22歳で独立して松岡商店を設立しました。
第一次世界大戦の好景気で成功してからは、美術品の蒐集家としても名を馳せ、昭和50年に自社ビルの9階に松岡美術館を開設します。平成元年に95歳で亡くなるまでアート作品のコレクションを続けました。
現在の松岡美術館は、平成12年に松岡清次郎の自宅跡地に建てられたものです。
展示室内に移築した床の間など当時をしのばせるものはありますが、大部分は美術館として新たに建設されました。
現在は、松岡清次郎の孫にあたる松岡真理さんが、総務部長として広報を担当しています。

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日本の若者の育成に力を注いだ松岡清次郎

モイーズ・キスリング《シルヴィー嬢》1927 年

松岡美術館は、1階が展示室ⅠからⅢ、2階が展示室ⅣからⅥの、計6室からなります。
1階は常設展示室で、古代東洋彫刻、現代彫刻、古代オリエント美術が並び、2階が企画展示室です。
今回の「レガシー ―美を受け継ぐ」展は2階の2室を利用しており、もう1室は同時開催の企画展「唐三彩 ―古代中国のフィギュア―」が展示されていました。
松岡美術館は中国陶磁器をメインに、古代から現代までの彫刻や絵画を幅広く取り揃えた美術館です。
創立者の松岡清次郎の守備範囲が年々広がったこともあり、時期に合わせてさまざまな企画展が開催できるほどのコレクションがあります。
また松岡清次郎はアーティストの育成にも熱心で、美術大学・芸術大学への進学に特化した予備校の新宿美術学院を1970年に設立して社長を務め、数多くの学生を美大・芸大に送りました。
翠波画廊オーナーの髙橋芳郎も、多摩美術大学彫刻科の出身で、受験生のときに新宿美術学院の講習を受けていたそうです。
一代で財を成した松岡清次郎ですが、永遠に生き続けることはできません。
1989年、昭和天皇が亡くなって2ヶ月半後、明治から平成までを生きた松岡清次郎も95年の生涯を閉じました。
その後、2013年に新宿美術学院も他社に営業権が譲渡されました。
松岡清次郎が最後に望んだのは、自社ビルのワンフロアにあった松岡美術館の拡大でした。
そこで1996年に港区白金台の松岡清次郎私邸跡地に新たな美術館の建設が開始され、2000年に今の松岡美術館が開館しました。
美しい中庭とゆったりとした展示室を備えた美術館は、地域の人々に愛されて20年以上になります。
松岡清次郎の死去後はコレクションをいっさい増やしていないにもかかわらず、2022年のリニューアルオープン後は入館者数が右肩上がりで上昇しているそうです。

エコール・ド・パリを中心に見せる「レガシー ―美を受け継ぐ」展

モーリス・ユトリロ《モンマルトルのキュスティーヌ通り》1938年頃

松岡美術館は2023年に「モネ、ルノワール 印象派の光」展を開催しており、2024年の「レガシー ―美を受け継ぐ」展は、その続編的な位置づけになります。
すなわち、ポスト印象派以降のモダンアートが今回の展示の中心です。
その内訳は、新印象派のシニャック、フォーヴィスムのヴラマンクやルオー、キュビスムのピカソとその仲間たち、エコール・ド・パリから藤田嗣治、モディリアーニ、ユトリロ、キスリング、シャガール、ローランサンなどです。
特に、ユトリロ、シャガール、キスリングは展示枚数も多く、さまざまな絵が楽しめました。
なかでも気に入ったのは、ユトリロ《モンマルトルのキュスティーヌ通り》です。
ユトリロの最も人気のある「白の時代」の作品ではありませんが、描きこみが深く、色彩の時代を代表する佳作です。
また、ユトリロの母である女性画家シュザンヌ・ヴァラドンの作品が一緒に飾られているのも見どころです。
この親子の絵はどことなく似ていつつも、お互いの個性や違いがはっきり見られるものでした。

常設展示にも見どころが多い松岡美術館

マリー・ローランサン《若い女》1937年

残念ながら、著作権保護期間が切れていないピカソやシャガールや藤田嗣治の絵は、撮影禁止なので掲載することはできません。
最後にローランサンの絵を掲載します。パステル調の幻想的な絵で知られるローランサンですが、ここでは影などもしっかりと描きこんでいます。
松岡美術館は、一般料金は1200円ですが、高校生以下は無料、25歳以下は500円と、たいへんリーズナブルな入館料で楽しめる都内の美術館です。
2024年10月29日からは一般1400円、25歳以下700円と値上げが予定されていますが、「レガシー ―美を受け継ぐ」展の期間は値上げ前です。ぜひ今のうちに訪問してみてください。
常設展示のヘンリー・ムアや古代アジアの仏像なども素晴らしく、期待を裏切らない体験ができるでしょう。

翠波画廊でも、ピカソ、シャガール、藤田嗣治、ローランサンなどの作品を取り扱っています。
ぜひご覧になってください。

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