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美術展「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」に行ってきた!
~パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の挑戦



いま日本で話題になる美術展は、たいてい作家の名前を冠しています。
たとえば2024年でいえば、「マティス 自由なフォルム」(国立新美術館)、「モネ 連作の情景」(大阪中之島美術館など)、「デ・キリコ展」(東京都美術館など)です。
そうでなければ、流派の名前でしょうか。
「キュビスム展—美の革命」(京都市京セラ美術館など)「シュルレアリスムと日本」(三重県立美術館など)、「印象派 モネからアメリカへ」(郡山市立美術館など)です。
そうなる理由は、何を展示しているかがわかりやすいからでしょう。
しかし、同じような名前の展覧会ばかりでは、違いが見えにくいのも事実です。
たとえば、「マティス展」は2023年にも東京都美術館でやっていましたし、ゴッホ展や印象派展なんて毎年開催されているように感じます。
そんななか突然現れたのが、2024年5月21日(火)~8月25日(日)まで、東京国立近代美術館で開催される「TRIO展」。
どんなものを展示しているのか、実際に展覧会に行って確かめてみました。

一流のモダンアート・コレクションを集めた展覧会

トリオテーマ「モデルたちのパワー」より(萬鉄五郎《裸体美人》(重要文化財)は、
7月22日(月)~8月8日(木)の期間は別作品に展示替えします)

TRIO展の正式名称は、「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」です。
「モダンアート」の展覧会なのだなとわかりますが、「モダンアート」は幅の広い概念なので、すぐに「こういうものね」とイメージできる人は多くないかもしれません。
「モダンアート」とは「近代美術」のことで、写実的な古典絵画から抜け出して、絵画ですらなくなった現代アートにたどりつくまでの、さまざまな前衛表現が模索された時代の作品群を指します。
作家でいえば、光の移ろいを重視してモノのかたちをあいまいにし始めた印象派から、平面での構成にこだわったピカソ、レジェ、色彩を強調したマティス、マルケなどのフォーヴィスム、おのおのが独自性を磨いたシャガール、ユトリロ、ローランサン、モディリアーニ、藤田嗣治などエコール・ド・パリの面々、サルバドール・ダリ、ジョルジョ・デ・キリコ、ルネ・マグリットなどのシュルレアリスムが含まれます。


では、なぜそれらがTRIOの名前で集められたのでしょうか?
TRIOとは、英語やフランス語で3つ組を意味する言葉です。そして今回の展示は、パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館、大阪中之島美術館の3つの美術館のコレクションから集められたものなのです。
なるほど、しかしそれだけでは3つの美術館が一箇所でまとめて見られるだけです。
実はTRIOにはもう一つの意味が隠されています。
それは、各美術館のコレクションから何かしらの共通点を持つ作品を1点ずつまとめて、3つ組での展示にしたことです。
展覧会のポスターやチラシを見ると、横たわる女性の絵が3点見えます。
パリ市立近代美術館からはアンリ・マティス《椅子にもたれるオダリスク》。
東京国立近代美術館からは萬鉄五郎《裸体美人》。
大阪中之島美術館からはアメデオ・モディリアーニ《髪をほどいた横たわる裸婦》。
これらは「モデルたちのパワー」というタイトルのトリオとして展示されています。

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パリ市立近代美術館の目玉はラウル・デュフィ《電気の精》)


ラウル・デュフィ《電気の精》
1953年、パリ市立美術館、リトグラフ、10枚組、
各縦1m×横0.6m(トリオテーマ「近代都市のアレゴリー」より)

池田遥邨《戦後の大阪》、
古賀春江《海》(トリオテーマ「近代都市のアレゴリー」より)

実は、翠波画廊はエコール・ド・パリをはじめとするモダンアート作品を中心に扱っているギャラリーです。
そのため、並べられている作品の中には、翠波画廊でお馴染みのものもありました。
たとえば、ラウル・デュフィ《電気の精》は、オリジナルはパリ市立近代美術館に縦10m×横60mの巨大な壁画として飾られているもので、絵の中には、エジソンやフランクリンなど108人の科学者たちが描かれています。
壁画を持ってくるわけにはいかないので、今回は10枚組のリトグラフが代わりに飾られていました。翠波画廊でも販売したことのあるセットです。
「近代都市のアレゴリー」というタイトルで、池田遥邨《戦後の大阪》、古賀春江《海》とのトリオでした。

画家によってこんなに違う少女の描き方

原勝四郎《少女像》、岸田劉生《麗子肖像(麗子五歳之像)》、
藤田嗣治《少女》(トリオテーマ「こどもの肖像」より)

30以上のトリオはいずれもとても興味深かったのですが、なかでも一つだけ気になったものをあげるとするなら「こどもの肖像」と名付けられたトリオでしょうか。
藤田嗣治、岸田劉生というビッグネームと並んだ原勝四郎《少女像》は、横の2人が細かい筆致で写実的に描いているだけに、余計にデフォルメの魅力が際立っています。

巨大な美の女神たちに酔いしれる

ジャン・メッツァンジェ《青い鳥》、藤田嗣治《五人の裸婦》、
マリー・ローランサン《プリンセス達》(トリオテーマ「美の女神たち」より)

TRIO展で紹介されている作家たちは、一人一作品というわけではなく、藤田嗣治(レオナール・フジタ)は「美の女神たち」のトリオでも再び登場しています。
藤田嗣治《五人の裸婦》、マリー・ローランサン《プリンセス達》はともかく、ジャン・メッツァンジェ《青い鳥》のどこに「女神」がいるのでしょう?
よく見ると《青い鳥》の中には、青い鳥をつかんだ女性、黄色い扇子で顔を隠した女性、そして横たわる女性の3人が描かれています。探してみてください。

東京は5~8月で、9~12月は大阪に巡回します

今回の展覧会を企画したキュレーターたちは、TRIO展の名前が決まった後に、ちょうどその中に3つの美術館の名前が入っていることに気がついたそうです。
なんと、Tokyo、paRIs、OsakaでTRIOとも読めるのです。
また、東京国立近代美術館の前庭に設けられたTRIO CAFÉでは、7月末までの予定で、ヴィーガンジェラートブランドのTUTTOとコラボレーションしたオリジナルジェラートも販売しています。
「ポワール(洋梨)」、「チョコミント」、「ストロベリーミルク」のトリオでも、いずれか1つのシングルでも注文することもできます。 初夏の美術館巡りのお供にお楽しみください。

【TRIO展 開催概要】
東京国立近代美術館 2024年5月21日(火)~2024年8月25日(日)
大阪中之島美術館 2024年9月14日(土)~2024年12月8日(日)(一部作品は展示替えがあります)

翠波画廊では、20世紀巨匠の作品を多数取り扱っています。
ぜひご覧になってください。

20世紀巨匠作品一覧はこちら >>

 


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