最も偉大なアメリカ人画家とは?
~映画『ポロック 2人だけのアトリエ』で見るジャクソン・ポロック
2017年までに、最も高額で取引された絵画のベスト15を眺めると、そうそうたる画家の名前が挙がっています。ダ・ヴィンチ、セザンヌ、ゴーギャン、モディリアーニ……一方で、ゴッホ、モネ、ルノワールといった名だたる画家の作品はベスト15の圏外です。
ジャクソン・ポロック 「ナンバー17A」 1948年 油彩
最も高額で取引されたジャクソン・ポロックの絵画は、1948年に描かれた「ナンバー17A」。ドリッピングの技法を使い始めた初期の絵で、いわゆるポロックらしさに溢れています。 ジャクソン・ポロックは1912年、ワイオミング州で、男ばかりの5人兄弟の末っ子として生まれました。アルコール依存症の父は転職を繰り返した末に家出し、母は生活に追われて冷淡になり、あまり幸せな幼少期ではありませんでした。そのせいかポロックは素行も悪く、喧嘩のせいで軍隊や高校を退学になっています。 波乱万丈のポロックの人生を、研究者のスティーヴン・ネイフとグレゴリー・ホワイト・スミスがまとめた伝記「Jackson Pollock: An American Saga」(未訳)は、1991年のピューリッツアー賞伝記部門を受賞しました。
映画『ポロック 2人だけのアトリエ』より
ポロックの絵は、たっぷりと絵具をつけた筆から絵具をしたたらせて描くもので、ドリッピングとかアクションペインティングと呼ばれました。 華やかな成功を収めたアーティストが、人気のピークを超えたところでスランプに苦しみ、酒に溺れて、愛人と共に自動車事故で死亡というのは、ロックバンドT.REXのマーク・ボランを彷彿とさせます。このような死に方はアーティストを神格化するものでもあります。 フランシス・ゴヤの「裸のマハ」からペンネームを取ったとされる作家の原田マハさんは、2017年の小説『アノニム』でジャクソン・ポロックを題材にしました。元美術館キュレーターで、画家をモチーフにした作品で知られる彼女は、そのほかにも短編集『ジヴェルニーの食卓』でモネ、セザンヌ、ドガ、マティスを、『楽園のカンヴァス』でルソーを、『暗幕のゲルニカ』でピカソを、そして最新作『たゆたえども沈まず』ではゴッホを描いています。
余談ですが、ポロックの伝記を書いてピューリッツアー賞を受賞した2人は、後に、ゴッホの残された手紙から伝記『ファン・ゴッホの生涯』(国書刊行会)をまとめ、そこでゴッホの死は自殺ではなかったとの新説を披露しています。
高額取引絵画ベスト15(2017年12月現在)
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