ゲームの世界で画商になってみませんか?
傑作ボードゲーム『モダンアート』の世界
絵を描く人を画家、その絵を販売する人を画商といいます。
画商の多くは、お客様に絵を見せるための場所として画廊を持っています。
私たち翠波画廊も画商の一つです。
絵画の販売業者としての画商の歴史はルネサンス時代までさかのぼることができます。
しかし、最初の近代的な画商は19世紀フランスで「印象派の画商」として有名なポール・デュラン=リュエルです。現在に続く画家と画商の関係は、近代のモダンアートから始まるからです。
今回は、画商になりきってオークションを楽しむゲーム「モダンアート」をご紹介します。
30年遊ばれている名作ボードゲーム
(箱絵は架空の日本人女性ポップアーティストのヨーコ)
出典:ニューゲームズオーダー
「モダンアート」は、1992年にドイツのハンス・イム・グリュック(Hans im Glück)社から発売され、以降30年以上も世界中で楽しまれている名作ボードゲームです。
1993年にドイツゲーム大賞を受賞したほか、2004年に日本ボードゲーム大賞3位、2008年にはブラジルとフィンランドでゲーム・オブ・ザ・イヤー受賞、2009年にはフランスとノルウェーのゲームアワードにノミネートされるなど、各国で広く遊ばれています。
日本ではニューゲームズオーダー社から日本版が出ています。
「モダンアート」にはさまざまな版があり、ゲームのルールは同じでも登場する画家や絵のデザインが異なるのですが、日本版は最初のドイツ版と同じデザインです。
「モダンアート」では、プレイヤーはそれぞれ日本、アメリカ、フランス、ドイツ、スペインの画商になります。そして、画商だけが参加できるオークション(交換会)に所有絵画を出品して、できるだけ多くの利益をあげることを目指します。
画商が交換会に出品できるのはモダンアートの人気画家5人の作品に限られています。
その内訳は、金属的な肖像画を描くライト・メタル、リキテンスタインのようなコミック調のポップアートを描くヨーコ、点描で静物画を描くクリスティン・P、ドット絵の抽象画を描くカール・ギッター、アジアの書画家のようなクリプト。もちろんすべて架空の画家ですが、それぞれの作品が美麗なカードになっているので画商の雰囲気が出ています。
「モダンアート」はどのように遊ぶのか?
プレイヤーは5人の画家の作品を最初から10点ほど持っています。
これらは以前に仕入れたものですが、自分の画廊ではなかなか売れずに長期在庫となっていると考えてください。そのため、交換会と呼ばれる画商だけが参加できるオークションに持ち込んで、現金化することを目論みます。
それと同時に、もっと売れる他の作品を仕入れて売り抜くことも考えています。その資金として10万ドルを用意しました。オークションで絵画を売買して、この10万ドルをできるだけ増やすことがゲームの目的です。
交換会はぜんぶで4回開かれます。4回の交換会が終わったときに、もっとも多くの現金を持っているプレイヤーが勝者となります。
(左上から右に向かって抽象絵画のカール・ギッター、
点描絵画のクリスティン・P、ポップアートのヨーコ、
写真を加工した肖像画のライト・メタル)
出典:ニューゲームズオーダー
交換会では、まず1人が自分の所有する絵画の中から1点を選んでオークションに出品します。他のプレイヤーはその作品を欲しいか欲しくないかを考えて競りに参加します。最も高い金額で入札したプレイヤーがその作品を購入して、代金を出品者に支払います。
次のプレイヤーも手持ちの作品の中から1点を選んでオークションに出します。この繰り返しでゲームは進行します。
でも、これだけだとあまり面白そうには感じられませんね。
プレイヤー同士で絵を売買するだけでは、参加した画商の用意した資金以上に現金が増えないからです。
実は、1つの交換会が終わるたびに、プレイヤーは購入した作品をお客様に販売して収入を得ることができます。このとき販売できるのは、交換会で仕入れた作品だけです。つまり、高く売れる作品をどれだけ購入できるかが、ゲームに勝利するためのポイントとなります。
では、高く売れる作品とそうでない作品はどうやって見極めるのでしょうか。
お客様に販売する作品の価格は、交換会での人気と比例して高くなります。
交換会で数多く販売された作家の作品は高額で売れて、逆にほとんど販売されなかった作家の作品は売れなくなります。
つまり交換会においてどの作品を競りに出すかの選択は、購入した作品の価格を左右することにつながっています。
オークションへの参加が作家の相場を決めるという意味で、「モダンアート」は画商の世界をかなり正確にシミュレートしています。
「モダンアート」にはバリエーションがいっぱい
(左からマネ、セザンヌ、
ゴッホ、ムンク、クリムト)
出典:DiceTree Games
「モダンアート」は競りゲームの名作として根強い人気を持っています。
画商の雰囲気を味わうのにも最適なゲームですが、一つだけ惜しいのはゲーム中に出てくる画家や作品が架空であることです。
同じように考える人は他にもいたようで、2017年にシンガポールのCMON社が出したバージョンでは、実在の画家5人の名前と作品を利用しています。とはいえ、それらの画家は日本人にはほとんど馴染みのない名前なのが残念です。
同じく2017年に韓国のDiceTree Games社が出したデラックス版では、なんと誰もがよく知っている人気画家とその作品をカード化しています。
メンバーは、マネ、セザンヌ、ゴッホ、ムンク、クリムトの5名。
さらに、モダンアートではなくルネサンス版として、ヤン・ファン・エイク、ジュゼッペ・アルチンボルド、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ラファエロ・サンティ、サンドロ・ボッティチェッリの5名で遊べるバージョンも同梱されています。
これほどの有名画家となると作品が画商の交換会に登場することはないので、そこはリアルではなくなりますが、版画限定の交換会とイメージしたり、あるいは19世紀の画商に扮したりすることで楽しく遊べそうです。
ちなみに、日本のアークライト社からは「モダンアート・カードゲーム」の日本版が出ています。これはボードゲームの「モダンアート」が人気であるため、もっと手軽に遊べるように同じ作者がリメイクしてカードゲーム化したものです。本家同様に面白いゲームではあるものの、システムがオークションではなくなっているので内容は別物です。購入時には間違えないように気をつけてください。
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