1億ドルを超えるピカソの絵画ランキング
~美術品オークション高額落札トップ24【2024年最新版】
2021年5月13日、ニューヨークのオークションで、パブロ・ピカソが1932年に描いた油絵≪窓辺に座る女≫が1億340万ドル(約113億円)で落札されました。
ピカソの作品が1億ドルを超える価格で売買されるのは、これで6作品目です。
なぜ、ピカソはこれほど人気なのでしょうか?
1.アルジェの女たち(バージョンO)
ピカソの作品で最も高額で落札されたのは、1955年に描かれた≪アルジェの女たち(バージョンO)≫で、手数料込1億7940万ドル(約215億円)でした。
当時の史上最高額です。
この作品は、フランスの巨匠ドラクロワの≪アルジェの女たち≫をピカソ流に描き直したものです。
当時の愛人ジャクリーヌ・ロックをモデルとして描いたもので、「ドラクロワはジャクリーヌと出会っていた」とピカソ自身がコメントしています。
ちなみにピカソがジャクリーヌと出会ったのは、作品が描かれる2年前の1953年。
当時、ピカソは72歳で、ジャクリーヌはバツイチ子持ちの26歳でした。
この作品が描かれた1955年には、ピカソの正式な妻であったオルガが死去しました。
その6年後の1961年にジャクリーヌはピカソと結婚して、ピカソの最期を看取ることになります。
2.夢
(1億5500万ドルで売買)
TATE MODERN EXHIBITION THE EY EXHIBITION
PICASSO 1932 – LOVE, FAME, TRAGEDY
ピカソの作品で2番目に高額で売買されたのは、1932年に描かれた≪夢≫です。
描かれているのは、当時の愛人マリー・テレーズ・ワルテルです。
絵の中で眠る女性の右肩からドレスにかけてが、屹立するペニスのかたちになっていて、左半身には乳房と乳首、あるいは皮を被ったペニスがダブルイメージで描かれています。
この作品は1941年にコレクターが7000ドルで購入して長く所有していましたが、その死後の1997年にオークションに出品されて4800万ドルで落札されました。
さらに2001年には6000万ドルで売買、2013年には1億5500万ドルで売買されるなど、取引のたびに価格が大きく上昇しています。
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3.腕時計の女
ピカソの作品で3番目に高額で売買されたのは、1931年の≪腕時計の女≫です。
2023年にサザビーズ・ニューヨークで落札されました。
ここに描かれているのも、マリー・テレーズ・ワルテルです。
ピカソの有名絵画にはマリー・テレーズを題材にしたものが多いのですが、それは彼女とつきあっていた時期のピカソが女性の絵をよく描いていたからです。
4.花かごを持つ少女
ピカソの4番目に高額な作品は、1905年に描かれた≪花かごを持つ少女≫で、1億1500万ドル(約125億円)で落札されました。
この作品はピカソが抽象画を描き始める以前の「ばら色の時代」のもので、まだ成熟していない10代の少女がモデルとなっています。
最初の所有者は、ピカソと交流があったレオ・スタインとガートルード・スタインの兄妹で、1905年にわずか30ドルでピカソから直接購入したと見られています。
その後、1968年に大富豪のデイヴィッド・ロックフェラーに680万ドルで購入され、彼の死後にオークションに出品されて1億1500万ドルで落札されました。
5.ヌード、観葉植物と胸像
ピカソの5番目に高額な作品は、1932年に描かれた≪ヌード、観葉植物と胸像≫で、1億650万ドルで落札されました。
1930年代前半に描かれたピカソの絵の多くは、当時の愛人マリー・テレーズ・ワルテルをモデルにしています。
この作品もその一つで、肌の色が白く美しいブロンドの髪の毛をもっていたマリー・テレーズの魅力を存分に描いています。
60年近くコレクターの手元に置かれていましたが、死後にオークションに出品されて高い評価を受けました。
6.パイプを持つ少年
ピカソの作品で6番目に高額なのは、1905年に描かれた≪パイプを持つ少年≫で、1億420万ドルで落札されました。
この作品は先に紹介した≪花かごを持つ少女≫と同じく「ばら色の時代」の代表作で、頭に花輪をつけた10代の少年を描いています。
「ばら色の時代」のピカソは、それまでの「青の時代」とはうってかわって、赤を基調とした温かみのある作品を多く描きました。
7.窓辺に座る女
7番目は1932年に描かれた≪窓辺に座る女≫です。2021年にクリスティーズで落札されました。
この作品も、≪夢≫や《腕時計の女》や≪ヌード、観葉植物と胸像≫と同様にマリー・テレーズ・ワルテルをモデルにしています。
クリスティーズの担当者は「(ピカソの作品の中でも)マリー・テレーズの肖像画に対する評価は非常に強い」と語っています。
この作品は2013年にサザビーズに出品された際には約42億円で落札されており、8年間で3倍近く価格が上がった計算になります。
美術品オークションの落札記録(2024年1月現在)
オークションにおいて1億ドルを超えた美術品はこれまでに24作品あります。
この美術品落札記録トップ24にピカソは6作品も入っています。
つまり高額落札記録の4分の1がピカソ作品で占められています。
なぜピカソはこれほどまでに高く売買されるのか。
やはり美術史に残した偉大な足跡が今もなお燦然と輝いているからでしょう。
1.ダ・ヴィンチ《サルヴァトール・ムンディ》4億5030万ドル(2017年)
2.ウォーホル《ショット・セージ・ブルー・マリリン》1億9500万ドル(2022年)
3.ピカソ《アルジェの女たち(バージョンO)》1億7940万ドル(2015年)
4.モディリアーニ《横たわる裸婦》1億7040万ドル(2015年)
5.モディリアーニ《(左向きに)横たわる裸婦》1億5720万ドル(2018年)
6.スーラ《ポーズ集、アンサンブル(プチ版)》1億4924万ドル(2022年)
7.ベーコン《ルシアン・フロイドの3つの習作》1億4240万ドル(2013年)
8.ジャコメッティ《指差す男》1億4130万ドル(2015年)彫刻
9.斉白石(チー・バイシ)《山水十二屏》1億4100万ドル(2017年)アジア人最高価格
10.ピカソ《腕時計の女》1億3900万ドル(2023年)
11.セザンヌ《サント・ヴィクトワール山》1億3790万ドル(2022年)
12.ムンク《叫び》1億1990万ドル(2012年)
13.ゴッホ《ヒノキのある果樹園》1億1718万ドル(2022年)
14.ピカソ《花かごを持つ少女》1億1500万ドル(2018年)
15.モネ《積み藁》1億1070万ドル(2019年)
16.バスキア《無題》1億1050万ドル(2017年)日本人による落札最高価格
17.ピカソ《ヌード、観葉植物と胸像》1億650万ドル(2010年)
18.ゴーギャン《マタニティ II》1億573万ドル(2022年)
19.ウォーホル《銀色の車の事故(二重の災禍)》1億540万ドル(2013年)
20.クリムト《白樺の森》1億458万ドル(2022年)
21.ジャコメッティ《歩く男I》1億420万ドル(2010年)彫刻
22.ピカソ《パイプを持つ少年》1億420万ドル(2004年)
23.ピカソ《窓辺に座る女》1億340万ドル(2021年)
24.ジャコメッティ《二輪戦車》1億100万ドル(2014年)彫刻
*ピカソ《夢》(1億5500万ドル)は個人間取引なのでランキングに入っていない。
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