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技法ごとの魅力を知ると、鑑賞の視点が広がります

絵画の技法にはいくつかの種類があり、技法ごとに異なる魅力があります。 もちろん絵画は、知識が無くとも楽しめるものですが、 それぞれの技法の特徴を知っておくと、鑑賞の視点が広がります。 例えば、画家が作品に込めた意図を探ったり、いきいきとした表現を味わえたりと、 より知的で奥深い楽しみ方ができるでしょう。 自分の好みの技法を見つけることで絵も選びやすくなりますし、 購入後の取り扱いや保管についても理解しやすくなります。

油絵

ギィ・デサップ 油彩「パリ、シャンゼリゼ通り」
15世紀に発明されてから今日に至るまで、多くの画家にとって本命とされている絵画技法が油彩です。 油絵の具は、顔料を亜麻仁油などで溶いたものですが、これを筆やナイフを使って、キャンバスに描きます。(キャンバスとは、麻や綿の布を木枠に貼ったものを指します。) 油絵が絵画の主流の技法として長く用いられてきた理由の一つは、その利便性にあります。 塗り重ねることができるので、絵の具の盛り上がりや重厚感を表現することもできますし、薄塗りして透明感を出すこともできます。 さらには絵の具の乾きが遅いことを利用して、一度色を塗った後でも修正がききますし、湿気や光への耐久性も強く、長く保管しやすいこともメリットです。 長い歴史を持つ油彩ですが、その最大の魅力は、鮮やかで味わい深い色合いや、色を塗り重ねることで画家の筆跡が絵肌に表れることにあります。 絵肌や絵の質感のことをマチエールと言いますが、画家はマチエールの表現にもこだわって制作しています。 画家の心の動きが、ダイナミックに絵肌に表れる油絵は、西洋絵画や日本の洋画の真骨頂とも呼べるでしょう。

日本画

東山魁夷 日本画「緑響く」
明治以降に日本にも油彩の技法がもたらされると、当時広まりはじめた油彩と、日本のそれまでの伝統的な大和絵や浮世絵などを区別するために日本画という言葉が生まれました。 岩絵の具や水絵の具を膠(にかわ)や水で溶いたものを使い、それを絹地や紙に描く、日本で1000年以上続いている伝統的な技法です。 日本の伝統絵画を総称して日本画と呼ばれますが、材料・技法等が複雑になっている現代においては、明確な区別がつけにくくもなっています。 日本画の魅力として、岩絵の具の色彩の美しさが挙げられるでしょう。岩絵の具は天然の鉱物を砕き、粒子状にしたものですが、上品に輝く美しさがあります。 例えば日本画家を代表する東山魁夷が描いた、青や緑の色彩が美しい風景画に魅了された方も多いでしょう。絵の具の調合など手間も多く、油絵のように塗り直しがきかない日本画ですが、そういった手間を惜しまずにじっくり制作される作品には、日本画家の高い精神性が宿っているように感じられます。

グワッシュ、水彩

ユトリロ グワッシュ・水彩 「ムーラン・ド・ラ・ギャレット、モンマルトル」
グワッシュは、不透明水彩と呼ばれ水で溶いて使いますが、一度乾くと水に溶けることはありません。その発色の良さから多くの人気画家が用いてきた絵画技法です。 一般的に水彩というと、透明水彩と不透明水彩に分けられます。 透明水彩は、一般的に学校の教材で使われる水彩絵の具で、乾いた後でも水に溶けてしまいます。そのため薄く溶いて使うことはできますが、厚く塗り重ねることはできません。 一方グワッシュ(不透明水彩)は、油彩のようにチューブから出した絵の具をそのまま塗り重ねることができます。そのため水彩絵の具でありながら油絵のような厚塗りや重厚な表現ができます。 例えば、色彩の魔術師と呼ばれたシャガールも、色鮮やかな作品を制作する際に好んでグワッシュを使っています。 また、マティスのはっと目を引く切り絵の作品にも、グワッシュが使われています。晩年病を患い、筆を握るのが難しくなったことで切り絵を制作したマティスは、グワッシュで着色をした紙を切り抜き、それらを組み合わせて、明るいはつらつとした印象の切り絵画を作り出しました。その色彩表現には目を見張るものがあります。

素描

藤田嗣治 鉛筆・紙 「人形を持つ子供(君代夫人コレクション)」
素描とは、鉛筆やペン、木炭を使って紙などの対象に描かれたものを指します。フランス語ではデッサン、英語ではドローイングが似た意味を持ちます。 素描には、油絵などの完成画の構想を考える過程で、下絵や習作として画家が描いたもの、さらには、ロダンのように、下絵としての価値を超えてそれ自体が完成画として制作された素描もあります。 素描の魅力は、何気なく浮かんだイメージや、構想中のモチーフなど、画家の生き生きとした思考の軌跡が見て取れることでしょう。線の強弱や濃淡というシンプルな表現は、描き手の気持ちもダイレクトに現れているように思います。 エコール・ド・パリの画家として名高い藤田嗣治は、習作としてかなりの数のデッサンを描くことで、その観察力や画力を磨き、世界の画家となりました。 藤田は素描についてこんな言葉も残しています。 「素描とは一言にして言い替えれば線で描く事であって、これぞ我等日本人の最も得意とすべきものであって、私自身でさえ素描で向ったならば必ずや欧米の人に勝ち得るだろうという確信を以て、デッサンを研磨したのであった。」 有名画家であればかなり高額になる油彩や水彩の作品に比べて、素描は一点物でありながら、比較的手に入れやすい価格なことも魅力的です。
次回は版画の技法についてご紹介いたします。 メルマガシリーズ全8話を最後まで読んでくださった方には、 特別なプレゼントをご用意していますのでお楽しみに…!

私たちがご提供できること

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熟練の画商が、あなたにあった、絵画をたくさんのコレクションの中からご提案します。もちろん、無理に販売するということではありません。あなたがどんな絵画をどんな値段でほしいと思っているのか、あなたの要望に合わせて、選び方、設置シーンを検討しながら、提案させていただきます。

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