フランスの女流画家といえば?
~18世紀のエリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブランから20世紀のローランサンまで
3月8日は女性の日です。1904年3月8日にニューヨークで起きた、婦人参政権のデモを記念して、国際女性デーが提唱されたのです。
18世紀フランスで最も有名な女性画家は、エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン(1755-1842)です。当時の女性画家の例にもれず、エリザベートも画家の父親から絵を習いました。女性はアカデミーに入学できなかったので、身内からしか学ぶ機会がなかったのです。 エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン「自画像」1790
19世紀フランスで最も有名な女性画家は、ローザ・ボヌール(1822-1899)です。ローザは、女性画家として初めてフランス政府からレジオンドヌール勲章を受けるなど、女性の地位を高めました。 ローザ・ボヌール「ニヴェルネの耕作」1849
19世紀フランス近代絵画といえば、印象派の誕生が有名です。その印象派展には、女性画家が3人参加していました。
ベルト・モリゾ「夏の日」1879
メアリー・カサット「ボックス席で真珠のネックレスをつけた女性」1879
やや時代は下って、19世紀後半に名を残したのが、世間的にはモーリス・ユトリロの母として知られるシュザンヌ・ヴァラドン(1865-1938)です。貧困層の私生児として生まれたシュザンヌは、やがて絵画モデルとして働くようになり、ルノワールやロートレックの絵にその姿を何度も残しています。 そのうちに自らも絵を描くようになったシュザンヌは、その技量をロートレックやドガに見込まれて、フランス国民美術協会初の女性会員になりました。その一方で、私生児として産んだユトリロのことはなかなか認めず、絵も教えなかったそうです。
シュザンヌ・ヴァラドン「自画像」1898
次に、20世紀前半のフランス女性画家といえば、マリー・ローランサン(1883-1956)です。やはり私生児として生まれたマリーですが、この頃にはアカデミーも女性の入学を認めていたために、高校卒業後に普通に画家を志します。アカデミーでブラックと知り合いになったマリーは、ブラックを通じてピカソやアポリネールなど、当時の前衛芸術運動(キュビスム)の仲間になりました。その独自の作風から、さまざまな外国人画家の集まりであるエコール・ド・パリの一員に分類されています。
マリー・ローランサン「ココ・シャネルの肖像」1923
20世紀後半のフランス女性画家として名声を博したのが、ニキ・ド・サンファル(1930-2002)です。1930年生まれのニキは草間彌生と一歳違いです。ニキはフランス人の父とアメリカ人の母との間に生まれて、3歳のときにアメリカに移住したので、育ったのはアメリカです。しかし、絵を描き始めたのは、22歳でパリに戻ってからなので、画家としてのキャリアはフランスで積んでいます。 男女平等がうたわれる現在、草間彌生を始めとして女性画家の数はだいぶ多くなりました。女性の地位向上のために尽力した先達に敬意を表しつつ、今後の新しい女性画家の登場に期待しています。
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