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作品との出会いの物語

~あるスーパーモデルとハンス・イヌメの描く動物たち~

 

 

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「真夜中過ぎに」

ハンス・イヌメの描く動物たちと目が合ったお客様はみなさん笑顔になって、晴れやかな表情になられます。

画廊で働いている中で、作品をご紹介できてよかったな、と思う瞬間です。
今この時も、この作品をご覧になったあなたが、ほんの少しでもニッコリとしてくださればいいなと思っています。

 

そんな作品との出会いはさまざまですが、イヌメの描く動物たちと、パリで運命的な出会いを果たした世界的モデルがいるのをご存知ですか?

 

 

ハンス・イヌメはオランダやフランス、ドイツ、イタリアなどヨーロッパでは、新聞や美術雑誌でも取り上げられるほど注目を浴びている画家。日本でも、有名百貨店で来日展を開催し活躍の場を広げています。

 

しかし、イヌメの画家としてのスタートは順風満帆なものではありませんでした。

美術学校を中退し、抽象絵画を中心に自らのスタイルを模索しながら試行錯誤していた時代。
イヌメの表現する抽象画は理解されず、作品が売れない日々が続きます。
ですが、そんな時でさえ、持ち前の多彩さを生かし、ロックバンドのベーシストとして生計をたてながら画家としての成功を夢見ていました。

 

そんな生活が10年以上続いたでしょうか。

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イヌメが描いていた抽象画

 

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「親密・・・・」

1987年の出来事です。

 

「鶏をモチーフにした絵を展示会に出品したところ、絵を見に来たお客さんが自分の絵の前で立ち止まり、描かれた鶏を見て首を傾げながらにっこり笑って絵から離れていった。その時、自分の表現したものが鑑賞者にダイレクトに伝わる実感が初めて得られた。」

 

イヌメは当時のことを思い出しながら、そんなことを語ってくれました。

このお客様との出会いが転機となり以来イヌメの作品にはデフォルメされた動物が描き込まれるようになります。

 

あっという間に、イヌメの描く小さな動物たちは人々に愛されるようになりました。
画家としての活動に専念し、ヨーロッパを中心に着実にファンを増やしたイヌメ。

 

1987年の象徴的な出来事から10数年が経ったある日、またしても、イヌメは印象的なお客様との出会いを果たします。

 

 

パリのヴォージュ広場近くにあった画廊“リセ・アリヴェール”。

その日イヌメは、翌日からの展覧会に向けて店先で作品の荷解きをしていました。すると、一人の女性が何度も画廊の前を行ったり来たりしています。「何だろう?」と思いながらも、準備に追われていたイヌメ。

少しすると、その女性は意を決したようにイヌメに話しかけてきました。

 

「こちらの作品は買えるのですか?」

 

まだ一部の作品の梱包が解かれただけでしたが、その女性はイヌメの作品と運目的な出会いを果たしたのでした。

彼女は、スーパーモデルのクラウディア・シファー。
ドイツ出身の彼女は500冊以上の雑誌の表紙を飾り、シャネルのミューズとしても活躍、
元祖スーパーモデルとして一世を風靡していました。

 

クラウディア・シファーはその場で11点の作品を購入、以降彼女はイヌメ作品のコレクターとなりました。
これをきっかけに、イヌメの知名度、人気共にさらに高まり展覧会では作品が完売、その後も国内外での個展は成功をおさめ、現在も精力的に活躍しています。

 

 

 

 

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「来る、いる・・・・」

作品との出会いはさまざまですが、やはりイヌメの描く作品には人々に見いだされるだけの「力」があったのでしょう。

 

私達がハンス・イヌメの作品をこうしてお客様へとご紹介するのは単に販売目的だけではありません。

多くの人に見いだされるだけの魅力をもった作品と、よりたくさんのお客様、今こちらを読んでいるあなたとの出会いの橋渡しを願っているから。

 

ハンス・イヌメの慈愛に満ちた作品たち、ぜひお手元でお楽しみください。

 

 

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